帝塚山中学校・高等学校 新着情報一覧

新着情報一覧

新着情報

全校2020.04.08

令和2年度新入生のみなさんへ

令和2年度新入生のみなさんへ

帝塚山中学校高等学校
学校長 池辺政人


 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、非常事態宣言が発令されました。本校といたしましては,生徒の皆さんの安全を第一に考え、やむなく入学式を中止いたしました。残念ではございますが、命に代わるものはありません。何卒ご理解いただけるようお願いします。入学する皆さんに、お祝いと激励のメッセージを送りたいと思います。

 さて新入生の皆さん、まずはご入学おめでとうございます。入学にあたり、イメージしてほしい道があります。経営の神様松下幸之助さんの言葉から紹介します。『自分には自分に与えられた道がある。天が与えた尊い道がある。どんな道かは知らないが、他の人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広いときもある。狭いときもある。のぼりもあれば、くだりもある。坦々としたときもあれば、かきわけかきわけ汗するときもある。この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまるときもあろう。なぐさめを求めたくなるときもあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、とにかくこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。他人の道に心を奪われ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。』どうでしょうか、これからの学校生活と重ねて考えてほしいところです。
 これからの3年間は、自分の意外な可能性に気づき、大きな一歩を踏み出す時期です。色々なことに挑戦して欲しい時期です。
 そのあたらしい挑戦のためにあるいは新しいスタートのために3つのアドバイスをしたいと思います。

 一つ目のアドバイスは、『失敗はつきもの』ということです。一番恐いことは失敗することではありません。失敗を恐れて挑戦しないことです。確かに思い通りにいかなかったり、失敗することもあります。むしろその方が多いです。しかし、何も挑戦しないよりは、失敗の数だけ成長できます。失敗した時の人の苦しみがわかり人を思いやる心も育みます。大きな挑戦でなくて構いません。日常的に小さな挑戦をして、達成感を積み重ねていくことが大切です。「こうしたい!」「こうなりたい!」という熱い想いをもって何かを熱心に追い求め続ければ道は必ず開かれるものです。失敗はつきもの、しかしまた、同時に、続ければ「想いはかなえられる」というのも真実です。

 二つ目は『人と比べない』ということです。皆さんには計り知れない可能性があります。この可能性は一人一人別々のものです。あらゆる生き物には独自の個性があり、すべてを自然に任せて生きています。私たちにも生きていくのに十分すぎるものが与えられているのです。焦らず、たゆまない努力があれば、人の可能性は、無限に広がります。人と比べるのではなく、自分はどう生きるのか、何になりたいのかと自問自答を繰り返してください。その先にあなたの進むべき道があります。

三つ目は『元気で生きること』です。新しいスタートには、「あれがない、これも足りない」というような不自由を経験することになります。また助けてくれる人も近くにはいません。そんな状況では、「とりあえず手元にあるものだけでなんとかする力」がものをいいます。ありあわせのものを使って自分の力で最善を尽くすことができる力=適応力といってもいいかもしれません。「あれがなければできない」「これが足りなかったから負けたのだ」というような言い訳は、挑戦的ではないということになります。うまくいかないときにこそ成長があります。それを弁護した時に人はつまずきます。克服方法は正しく認識することです。そして、おおらかに自らには何があっても大丈夫と言い聞かせ、人には思いやりを持って接していきたいものです。何をやっても褒める人もいれば、けなす人もいます。それなら、気にせずにやりたいことを思い切りやる方がいいと思います。前向きに、どうせやらなければならないことは自分から進んですることが元気でいられる秘訣です。体力をつけることはもちろんですが、心も元気になることです。強く生きるには、志が必要です。何がなんでもやり遂げるという頑固さが必要です。人のせいにしない、自分のできることを自分の力でする。そして、心と体の健康を第一に考えて、元気に暮らしましょう。

 保護者の皆様方におかれましては、本校に、お子様をお預けいただきまして、ありがとうございます。
これからの3年間でお子様はめざましく成長していきます。それは自然です。持って生まれた自然がお子様の中にすでにあります。それを私たちは型にはめることなくのびのびと育てていきます。本校の教育精神は「子供や若い人たちは学園の宝」です。この宝は一人一人違います。この違いを認め、いいところを見つけて伸ばしていくことが大切かと思います。今後とも学校と保護者が連携して、子供達が前向きにいまを大切にして、諦めないでコツコツと積み重ねができるようにしていきましょう。

それでは新入生の皆さん方の活躍を祈念して、わたくしからのメッセージといたします。

 

新着情報一覧へ戻る