帝塚山中学校・高等学校 校内ニュース・トピックス一覧

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全校2022.07.13

【数学研究部・情報科】量子通信講演会を開催しました

 7月9日に長距離量子通信の社会実装を目指しておられる横浜国立大学准教授の堀切智之先生と、横浜国立大学のスタートアップ企業であるLQUOM株式会社社長の新関和哉様を講演者に迎え、オンラインで量子通信講演会を開催しました。この講演には数学研究部でプログラミングを勉強している中高生8名と、情報科の授業の一環として参加した高校1年生8名の合計16名が参加しました。

 講演では初めに堀切先生から量子情報技術の現状説明があり、未来永劫に盗聴不可能な無条件安全秘密鍵を通信に使うために量子通信技術の実用化と普及が期待されていると説明がありました。そこから講義内容は次第に高度になり、光子の偏光を利用したプロトコルBB84の解説、そしてLQUOM様が社会実装を目指す量子テレポーテーションを利用した長距離量子通信の説明がありました。

 続いて新関様からはLQUOM株式会社とそのラボの紹介がありました。LQUOM株式会社がプロダクトした二光子発生を原理とし量子もつれ状態を配送できる短距離に向けた量子通信のプロトタイプの紹介や、長距離量子通信に必要な量子中継器実現に向けた研究施設の説明をしていただきました。

 質疑応答では生徒達から「量子もつれを利用した量子通信において中継点での盗聴の可能性はないのか?」、「量子通信の実現を前にRSA暗号を改良することで暗号の安全性は保てないのか?」といった質問があり、堀切先生は生徒が納得できるまで丁寧に回答をして下さいました。

 高校生にも分かりやすい内容から、容赦のない本格的な内容もありましたが、情報技術に興味を持つ生徒達が未来の技術に思いをはせながら、大学での研究のイメージをもつ充実した講演となりました。講演者の堀切智之先生、新関和哉様、そして今回の講演実現のため準備を整えて下さったLQUOM株式会社の吉田まほろ様、本当に有難うございました。



横浜国立大学 堀切研究室(http://www.horikiri-lab.ynu.ac.jp/)

LQUOM株式会社(https://lquom.com/)
トピックス写真1

数学研究部と情報科の授業から16名が参加

トピックス写真3

量子もつれを利用した量子通信の説明

トピックス写真4

質疑応答の様子

トピックス写真5

新関様によるラボの紹介

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